北海道に移住して来て一番淋しいなあと感じるのは、季節感がない、ということ
です。
もちろん北国には北国なりの四季の移ろいがあり、ここで生まれ育った方には、
それがごく自然で、心身にも馴染んでいることと思います。
けれども、生まれも育ちも関東地方の私にとって、北海道は日本であって、何か
日本ではない、気がしてしまうのです。
ひとことで言いますと、すべてが突然かつダイナミック過ぎて、花鳥風月の風情
と申しましょうか、そのわびさびを感じる余白がないのです。
中学高校で日本の古典を学習しますが、はたして、道産子にその世界の季節感が
分かっているのかどうか、ちょっと疑問です(失礼)。
春、といいますと、先ずどこからか沈丁花の香りがただよい始め、ああもう長かっ
た冬も終わりなんだなあ、と嬉しさを感じていると、梅の花がぽつりぽつりと咲い
て本格的な春の到来を感じ、卒業式、そして入学式ともなれば、校庭の桜が満開…、
というような展開が、ないのです。
日本人にとって、桜は、分かれと出会いの象徴のような気がします。
桜をテーマにしたヒット曲、名曲はたくさんあって、毎年のようにまた新しい曲が
生まれていますが、はたして北海道の人に、その心情が分かるのかなあと、ちょっ
と失礼なことを思ってしまったりします。
北海道では (といいますか、私の知っているここ胆振地方では)、 梅は桜よりも
後に咲きます。今年はほぼ同時に咲いているようですが、過去4年間の経験では、
梅は桜よりも1〜3週間位後に咲く気がします。
桜は咲いたか、梅はまだかいな、ですね。
ラベル:梅
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